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Blocking Of Traffic !!(サンプル)

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―――どういうことだ?

セルティは不思議に思っていた。折原臨也は面倒事を避ける為、基本的に静雄を避けて行動している。しかし目の前の臨也は、何故か自分の命を危険にさらしてまで静雄を怒らせようとしているようだ。

―――臨也の考えている事なんか私には分からないが、このままじゃ静雄がキレる!

セルティはとりあえず、怒りを沸騰させている静雄を落ちつけようと眼前にPDAを差し出した。しかし、怒りに震える静雄には折原臨也しか目に入っていない。
セルティの努力も虚しく、臨也の顔に浮かんだ笑顔は、今まで見てきた表情の中で、特に美しく冷淡なものだった。

「シズちゃん、いい加減学習した方がいいよ‥」
そして臨也は静かに静雄に言い放った。
「シズちゃんが傍にいると、人間は壊れちゃうって」
「イザヤァアアアア」
『静雄、やめろっ!』

 その言葉を聞いた瞬間、静雄を繋ぎ止めていた沢山の物が頭の中から吹き飛んだ。怒りに突き動かされた静雄は、臨也に向かって拳を繰り出す。しかし、怒りに任せた直線的な攻撃は臨也には避けるのは容易だった。そして、結果的に、臨也に対して決定的な隙を与えてしまった。

「あはは、シズちゃんが何に対して怒ってるのか、理解できないなぁ?俺は本当の事しか言ってないのに」

 臨也の顔面を粉砕するはずだった拳は、臨也の後ろにあった愛らしい遊具を一瞬で鉄屑に変えた。

「でもシズちゃんは、本当は解ってやってるんだよね?」

静雄の攻撃を避け、後ろに回りこんだ臨也の手にはいつの間にか白い針のようなものが握られている。

「だって、本当はシズちゃん」

 セルティは臨也に向って止めろと叫んだ。音にならないそれを蔑むように笑った臨也は、掌に握られた針を振り上げる。

「人を壊すのが、大好きなんだからさぁ」

 臨也は静雄の首筋に向かって渾身の力を込めて振り下ろした。
その瞬間、静雄の首の付け根に痛みが走り、全身の力が失われるような感覚が彼を襲う。地面に倒れ込んだ静雄の意識は、折原臨也の楽しげな嘲笑を聞きながら、緩やかに闇へと落ちていった。