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ドッペルゲンガーのともだち【鉢雷現パロ】

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 高校生活は始まったばかりなのに、人生がもう終わるなんてごめんだ。
 背中を、冷たい汗がおりていく。
「嘘じゃないって! なんなら今から、」
 A組へ行こう、という兵助の言葉は結局言い切られることはなかった。なぜなら同時にずかずかと教室に入ってきた三人組がいたからだ。
「おい、不破雷蔵っていうのはどいつだ!」
 中性的で通りが良い声のもとをたどると、そこには。






 鉢屋三郎は自分が大好きである。
 どれくらい好きかというと、携帯している手鏡で自分の顔を見ては、ふふ、と誇らしげに微笑みたくなるくらいだ。
 彼の顔は、個性的で実に美しかった。
 すっと通った輪郭は細く、先が少し丸い鼻も愛嬌がある。ワックスでニュアンスを作った髪はちょっと自慢で、カラーリングにいたってはいつも絶妙な配合で市販品を組み合わせて作ったりなんかしている。俺って器用だぜ、とアピールしたいところだが、決して自分からは言わない。なぜって、三郎が言うと嫌味に聞こえるから。

 これだけでも三郎の性格が破綻していることは分かっていただけたと思うが、不思議なことに、彼は決して周囲に嫌われてはいなかった。
 自分の素晴らしさを語り尽くすタイプではなかったので、幸い賛美は心の中で完結していた。いや、はしばしに見え隠れはしていたが、それさえも大して気にされなかった。器用でなんでも一通りできるため、みんなが彼を頼りにしたし、しかも話し上手でとくれば、そのナルシズムもおおめに見れたのだろう。長所が多くて、短所を差し引いてもあまりある、得な性格だったのだ。
 そんな理由で、実は三郎は周囲に「ナルシストめ」とののしられたことなど一度もない。彼としても、ちょっと人より自分が好き、のレベルとしか考えていない。自覚する機会がなかったことは悲劇と言えよう。

 高校に入学しても無自覚状態が続くかに思われたが、変化は突然やってきた。

「三郎〜、暇だ」
「知るかアホ八。くたばれ」
「うわっ! ひっでえ! なんてこと言うんだおまえ! 人にくたばれなんて言うもんじゃありません!」
「ハチ、三郎はこれでも進歩してるんだよ、昔は『死ね』ってよく言ってたけど、おまえが説教してからは『くたばれ』に改善してるんだから」
「フォローになってないフォローありがとう、勘右衛門」