コイゴコロ
さっきから何を考えても結局マッシュにいきついてしまうのだ。
「私…」
マッシュ。
思い出されるのはさっき彼が頭を撫でてくれた時感じた温かさだ。
温かくて、なんだかむずむずして、ドキドキする不思議な感覚。
けれどそれは不快ではなく、頬が熱くなるように、そう確かに“嬉しい”と感じた。
思い出すと不思議とさっきまでのもやもやは消え失せた。
「…不思議な人。何かの魔法なのかしら」
マッシュを思い出すととてもわくわくして楽しい気分になる。
けれど、同時にひどく胸を締め付けられるような気持ちにもなる。
色んな気持ちで目が回りそうになるのに、マッシュのことばかり思い浮かんでしまう。
どうして?
その疑問に答える声は今はまだどこにもなかった。