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鳥の歌

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 桂を壁に押しつける。
「なんでかばうんだ」
「だから、なにもなかったと……!」
 台詞の途中で口をふさぐ。怒っているのか桂は口を引き結んだが、それを開けさせる方法を銀時はもう知っていた。
 さんざん蹂躙してから、舌を引き抜く。
「それで、名前は?」
 できる限り冷静な声でたずねる。
 桂はなにも言わず頭を横に振り、壁に背を預けたまま、ずるずると下降し、やがて座り込んだ。
 それを追うように、銀時も座る。
 顔を背けてうつむく桂に銀時は手を伸ばし、その顎をつかんで顔をあげさせ、自分のほうを向かせる。
「本当になにもなかったんだな?」
 沈黙。
 そして。
「……あった」
 やっと桂が認めた。
「だが、未遂だったし、俺がちゃんと処理した。だから、おまえに名前を言うつもりはない」
 そう宣言した以上は、この先、桂が自分を襲った者の名をあかすことはないだろう。
 桂は仲間を大切に想っている。
 それに、強情だ。
「へえ」
 銀時はうっすらと笑い、桂のほうに身を乗りだす。
 手を寝間着の襟にやり、つかんで、まえを開いた。外気にさらされたばかりの肌は白く潤んでいる。そこに唇を押しつけた。しっとりとした肌を舐めてさらに湿らせ、胸の尖りを弄ぶと、桂の呼吸は乱れた。裾を割って太ももをさすりあげる。行為を続けるうち、間近で吐き出される熱を帯びた息に、こらえきれない甘い声がまじった。
 その声を聞き、これは自分だけのものだと思った。





作品名:鳥の歌 作家名:hujio