短いのまとめ
静帝/
「それじゃあ、行くか」
突然のことではあったが、特に断る理由もなかったので頷こうとした処で思い付く。
折角の機会であるのだからと床に両足を伸ばして座る。見上げる静雄さんの表情に疑問と若干の不安が入り混じる。
「僕、外出するのも今日で最後なんでしょう。ですからお約束のあれをやって欲しいんです」
お約束、という言葉に覚えがないのか少し困った顔。
「攫われる時にはいつも、お姫様抱っこが相応しいと常々思っているんです」
些か気恥ずかし気な戸惑いある動作でうなじの方に片手を、膝裏の方にもう片手を入れられたと思えば造作なく軽々と持ち上げられた。
両腕をすぐ傍にある静雄さんの首に回して耳朶に唇を近付ける。浮気は許しませんからねと言えば、心配ない、養われていろと照れながらも頼もしい返事が返ってきた。
これならこれからの軟禁生活に支障も出ないだろうなと心安らいだ。
「それじゃあ、行くか」
突然のことではあったが、特に断る理由もなかったので頷こうとした処で思い付く。
折角の機会であるのだからと床に両足を伸ばして座る。見上げる静雄さんの表情に疑問と若干の不安が入り混じる。
「僕、外出するのも今日で最後なんでしょう。ですからお約束のあれをやって欲しいんです」
お約束、という言葉に覚えがないのか少し困った顔。
「攫われる時にはいつも、お姫様抱っこが相応しいと常々思っているんです」
些か気恥ずかし気な戸惑いある動作でうなじの方に片手を、膝裏の方にもう片手を入れられたと思えば造作なく軽々と持ち上げられた。
両腕をすぐ傍にある静雄さんの首に回して耳朶に唇を近付ける。浮気は許しませんからねと言えば、心配ない、養われていろと照れながらも頼もしい返事が返ってきた。
これならこれからの軟禁生活に支障も出ないだろうなと心安らいだ。