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短いのまとめ

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臨にょ帝/
近所に居るそのこがもうすぐ高校受験だというので、当人よか浮き足立った周りの話は当人らを抜き気が付けば固まっていた。
本日からきみの家庭教師をすることになったらしいからよろしくね、と部屋に入れてもらい切り出せば、らしいからってなんですか、と近所でありながら年を重ねるごとに縁遠くなっていた少女が小さく笑む。少年に間違われていた程のショートの名残なく、クセなしに伸びた長めの黒髪が合わせて軽やかに揺れる。
大学生になって、ちゃんと続かせる気の彼女は作りましたの問いにそっちこそあの明るいことどうなったのかなと問いを返す。時計の針の音を挟んでも互いに答えず、何でもない箱に質問を放る。
高校の頃は天敵のおかげで大学生まで生存していられるか心配であったけれど、小学生の高学年辺りで自分の後を着いて来る幼い足取りが消えて数年経て。セーラー服の襟から見えるうなじ白さが訳もなく際立つような、少女期特有の透明感を纏うまでの成長に此方の停滞を感じる。ほっそりした造りの肢体を齧れば砂糖味であるようにも思える。
少しひそめた眉を眺めていたけれど、尋ねるような瞳をされたから何食わぬ顔でこの問はね、などと教師面して内にある戸惑いを空気中に拡散させる。
即席の生徒程愛らしはない自分の額に唐突な、僅かな刺激。丁度当たった額から跳ねたらしき、兎のぬいぐるみが持つような人参型した布の塊が勉強机に乗っていた。
こら、とバレてしまっては仕方ないとばかりに部屋主が抗議を投げた先には、投球ポーズのままの兎のぬいぐるみがベットの上で二本足を踏み締めている。隣に並ぶくまやら猫やら円らな瞳をしたぬいぐるみの仲間達は起き上がりかけの状態で、一寸ばかり早くにアクションを起こした兎のやつは、仕掛けも見当たらないのにうちのこは嫁にはやらん、と堂々と言い放った。
ならばと、立ちふさがるらしい父親役を買って出たぬいぐるみ達に向かい、娘さんを俺に下さいと頼み込む。振り向けば、当人はどのような表情をしているのだろうかと思索しながら問答を続けた。
でも惜しむべくは、まだ相手は結婚可能な年齢ではないのだけども。だって可能であるのならば、そのまま攫ってゆくだけなのに。
作品名:短いのまとめ 作家名:じゃく