二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

桔梗

INDEX|31ページ/53ページ|

次のページ前のページ
 


あのとき思ったのは、乱太郎をつなぎ止めなきゃという思い。だから、乱太郎の秘密を知ったときに乱太郎と約束をしようと思った。。
『自分たちに黙って消えない』と。
 乱太郎がすでに手を染めていることは正直驚いたし、怖くなった。きり丸は戦を知り、家族をなくしている。だから多少の事は経験している。人が死ぬ事も殺される事も。しんべヱはそうも行かない。そんな経験はまったくないのだから。けれど、学園に入ったときからいつかは経験すること。自分たちが手をかけていないにしてもそれを近くで見たことは衝撃は大きい。
 けれど、乱太郎と一緒にいると決めたとき。それは当たり前のことになる。それをちゃんと覚悟しているんだと乱太郎に伝えなければいけなかった。

「乱太郎、大丈夫?」
「うん」
座り込んだまま、乱太郎が笑った。いつもの乱太郎だ。
「とりあえず、学園に戻ろう。先生たちが心配しちゃうからね」
「もう、夜だもんね」
「怒られるかなあ」
「それは大丈夫。ヤミに手紙渡したから。もう学園長に届いてるはずだから」
「「手紙?」」
乱太郎がヤミに持たせたのは、華乱からの手紙。先ほどの襲撃の件、城主への対応。学園長とは何度か華乱として依頼を受けている。自分が気まぐれな事も知っている。助けた事に関しては何も言われることはないだろう。
「襲われたことをね、伝えたの。多分、山田先生と土井先生が迎えに来てくれる」
心配はしていると思う。生徒思いのいい先生達だから。
「乱太郎も帰るよね…?」
「帰るんだよな?」
「帰るよ。そんなに心配しないで」
乱太郎は心配する二人に笑う。今はまだ帰る。そう聞こえた気がした。
ほどなくして、先生が現れる。
「乱太郎!きり丸!しんべヱ!」
「「先生!!」」
きり丸としんべヱは現れた担任に安心する。
「大丈夫か!」
「はい」
「心配したんだぞ」
「ごめんなさい」
やはり、先生が来て安心したのか二人は泣き出した。乱太郎もそんな二人を見て安心した。自分を恐がっていないわけがなく、それでも気にしてくれた二人。嬉しかった。
「学園長から話を聞いてな。華乱という忍者にあったか?」
「「…」」
「きり丸?しんべヱ?」
「会いましたよ。でも、すぐにいなくなっちゃいました」
 答えたのは、乱太郎。
「そうか」
作品名:桔梗 作家名:とーすい