桔梗
怖い思いはした。けれどそれは乱太郎のせいじゃない。それは二人が一番わかっている。あんなことがなければ乱太郎だって本当の姿を見せることなどしなかったのだから。
「しんべヱ…」
「うん。乱太郎は何処か行っちゃう気だよね」
「やっぱり、そう思うか?」
「だって、乱太郎だもん」
乱太郎は近くに自分から消えてしまう可能性が高い。それは確信だ。
「絶対に…行かせない」
「そうだよね」
二人は乱太郎を見て決心する。
「オレ達でこいつをここに繋ぎとめるんだ」
「うん」
乱太郎と一緒にいたい。
だから…行かせない
そう、決めたから
「「覚悟しとけよ(ね)?」」
それは乱太郎が眠っていたときに決めた二人だけの約束。