桔梗
「あいつがどこかにいくんだったら、オレ達が乱太郎の所へ行けばいいんだよな? そういうことだろ」
「うん! だから、乱太郎がどんな結果を持ってきても」
「笑って迎えてやろうな!」
しんべヱときり丸は手をコツンと合わせて笑い会った。
そして、また数日だった。
今日は休日で乱太郎を華乱と知っている五人が集まった。
「やっぱりここに集まったんだね」
そこに集まっていたのはきり丸、しんべヱ、庄左エ門に喜三太。最後にきたのが伏木蔵だった。
「伏木蔵だって来たじゃないか」
そこは乱太郎が好きだと言っている場所。休みになれば誰か必ずここに来るようになっていた。
「なんかさ、面白いね」
喜三太が笑う。
「何が?」
「んー。乱太郎のことがなかったら僕らここまで一緒にいなかったよね」
「そうだな。仲がいいことは変わりはないけど。オレは庄ちゃんとここまで話すなんてことないかな」
「あはは、そうかも」
きり丸と庄左エ門はお互いの手を合わせる。
「それに伏木蔵がここにいるのも乱太郎のことがあったからだよな」
「そうだね」
ろ組である伏木蔵とは乱太郎のことがなければここまで仲良くもなってなかっただろうし、話してもなかった。
「僕は、よかったかな。喜三太とか庄左エ門とかとはあんまり話す事がなかったし」
「そうだねぇ…」
「僕も伏木蔵とここまで話せるとは思ってなかった」
「ああー、喜三太は蛞蝓関係で斜堂先生が苦手にしてるからね」
「そうだよね」
ここに繋がっている糸は乱太郎いう存在。
「早く帰ってきてほしいね」
「うん。帰ってくるよね」
「…待っているのも大変だな」
「本当だよ」
「でも乱太郎を信じて待つ。そう決めたもんね」
五人は頷く。待っていることが乱太郎の為になるのだと。
そんな五人が集まっている処に声が聞こえた。
それはずっと聞きたくてずっと会いたかった人の声。
「みんな」
そこにいたのは乱太郎。そして、乱太郎は笑いながら言った。
「ただいま!」
「「「「「おかえり!!!!!」」」」」
五人全員で乱太郎に抱きついた。
乱太郎が戻ってきた。ちゃんと自分達のところに。
「乱太郎!」
「しんべヱ。ただいま」
「おかえり! ちゃ、ちゃんと泣かないで待ってたんだよ!」
「うん。ありがとう」