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桔梗

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 華乱はクスクスと笑って、手に持った扇を広げた。

 森からは人一人出てこなかった。

「…くっそ!」
 利吉はそこにあった意思をけり捨てる。忍務は完了した。華乱のいうとおり無事に。けれど、利吉はいらついた。あそこまで馬鹿にされたのは初めてだ。けれど、華乱の判断は間違っていない。利吉と華乱の実力の差はそこまであったということだ。あの後、華乱は戻ってきた。何事もなく。気になって聞いてみたのだが、答えは返ってこなかった。
「あんな小さき者に負けたというのか」
「…勝ち負けを気にしているなら、あなたはそこまでですよ?」
 ふいに声がした。気付かなかった。
「華乱…」
「あなたは強くなるんでしょ? あなたのお父上よりも」
「そうだ。オレは父上を超える」
「なら、その力を過信しないことです。特にあなたは優秀すぎる上に一人だ。過信し慢心したとき、あなたは倒れます。それを覚えておいてください。後、すぐにカッっとなるのは早めに直してください」
「……」
 何も言えなくなる。華乱の言葉通りだから。
「まあ…。実力は本当にトップクラスですよ。だから、一流忍者の位置にいることが出来るんです。がんばってくださいね」
「華乱!」
「はい?」
「また…会えるか?」
「さあ? 仕事が重なれば会えるでしょうけど」
「…絶対に会うからな」
「ご自由に」
 そして、華乱の気配が消える。
「…必ず、あいつを超えてやる。そして認めさせてやる!!」
 利吉はそう叫んだ。

 それから、数年後に利吉は学園で乱太郎に会うことになるのだがそれが華乱だとは気がつかないままだった。知るのはもっともーーっと後のことになる。

作品名:桔梗 作家名:とーすい