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巫女さんなシズちゃんと帝人くんの話

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「ふむ、意外と速かったな」
メールで送られてきた調査結果はほぼ予想通りのものだった。
竜ヶ峰とはかつて栄えた名家の苗字。
現在は見る影もなく没落しきって平民と変わらないが、過去には相当な家柄だったようだ。

そして、その起源に『人でないもの』がいた可能性が強いと報告書には書かれている。
さらに現在その名残は完全に失せてしまっている、とも。
その異形とは苗字に高々と記されている竜、またはそれに比類するモノ。
「竜…か」
竜とは本来想像上の「生物」を指すのではなく、「現象」を指す。
すなわち森羅万象の循環、万物の流転を意味し、
そこには調和と回帰を司る神の姿が摸されている。
「…大事なのは形骸だよね。プラシーボ効果も期待できそうだ」
「おい新羅、風呂あいたぞ」

髪を拭って現れたのは小学生ぐらいの少年だった。
大人しげな顔立ちをした華奢な体躯を大きめの浴衣が包んでいる。
腰にゆるく結ばれた大きなちょうちょう結びの帯が可愛らしい印象を与えていた。

「ねえ静雄、まだ確定はできないけど元に戻れるかもしれないよ」
「えっ、本当か!?」
「うん、有望そうな子をセルティが見つけてきてくれてね、ああ、
やっぱりセルティは素晴らしいよね!幸運の女神だよね!」
「……また、胡散臭いレーノーリョク者とか陰陽師とかじゃないだろうな」
「やだなあ静雄、そんなの最初のころだけだったでしょ。大丈夫だよ。
そうそう、静雄は妖怪とか追い払えたっけ?」
「妖怪?そんなのあんまり俺に近づいてこねーよ。向こうが勝手に遠巻きにしてやがる」
「そっか!よかったあ!」
「あ?何が」
「実はさ、ひとつ頼みたいことがあるんだよ。
セルティの友達の友達がさ、妖怪に追いかけられて困ってるらしいんだ。
静雄暇だ暇だってわめいてる暇があったら守ってあげてよ!」