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はやくおいで、君を飼うための檻は用意してある

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怪我した僕を見つけたイザヤさんは僕を縛って浚うわけでもなく、ただ怪我の手当てをしてくれただけだった。それでも警戒している僕に、イザヤさんはいろんな話をしてくれた。イザヤさん自身のこと、この森についてや、そして森の外の広い世界のこと。
もともと外の世界に興味のあった僕はイザヤさんの話に聞き入った。そんな僕の様子を見て、イザヤさんは一つの提案をした。

「もし俺の話に興味あるなら、そうだな・・・、一週間後のこの場所、この時間にまた会わない? そのころには怪我もよくなっているだろうから」

そう言ってイザヤさんは帰って行った。僕を一人残して・・・。
その一週間、ずっとイザヤさんにまた会いに行くかどうか悩んだ。でもマサオミにはイザヤさんのことは話さなかった。だって以前ならともかく、今は有無を言わさず行くのを反対されただろうから。悩み続けたけど、結局僕はイザヤさんの外の世界の話が頭を離れず、再びあの場所に行くことにした。その時はまだ、イザヤさんに対する警戒心は残っていてけれど、その日もおしゃべりをした後に一人で帰っていくイザヤさんの後姿を見たときにはそんな気持ちはなくなっていた。
それからは誰にも気づかれないようにイザヤさんに会いに来るようになったのだ。

「あの、僕臭くないですか? 家出る前に水浴びしてきたんですけど、走ってきちゃったから・・・」

前に『お風呂』という習慣のことを聞いてからはイザヤさんに会うときはできるだけきれいにしてから来るようにしている。イザヤさんにはできるだけ不快な思いはしてもらいたくない。でも今日は走ってきて汗をかいたので意味がなくなってしまった。

「え、全然気にならないけど? むしろ甘い匂いがする」

僕を抱きしめたまま首筋に顔をうずめてくるイザヤさんになんだかこそばゆくなって身をよじる。

「そうですか・・・? 僕は良くわかんないですけど・・・、イザヤさんはいつもいい匂いがしますよね」
「一応ちゃんと風呂には入ってるからね、それに香水だってつけてるし。君たちにとってはきついんじゃないかな?」
「そんなことないですよ、すごくいい匂いです」

ぱふ、とイザヤさんの胸元に顔を押し付けて香りを吸い込む。イザヤさんはくすくすと笑いながら頭をなでてくれた。

「でも今日は本当に心配した。ミカドくんがこんなに遅くなったのは初めてだからね」
「ごめんなさい・・・、今度からは時間に間に合うようにしますから」
「ふふ・・・、じゃあお詫びの印ってことでいつもしてること、ミカドくんからしてくれる?」
「えっ!!!」

僕がびっくりして見上げるといたずらっぽい笑みを浮かべたイザヤさんと目があった。それからイザヤさんは近くの木の根元に腰を下ろして、脚の上に僕をまたがらせる。

「ほら・・・」

目線が同じくらいの高さになって顔を近づけてくるイザヤさん。恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じながら、でも絶対にイザヤさんも譲らないよね・・・と諦める。もとはと言えば僕が遅れて来たのがいけないのだし・・・。
観念して僕からもイザヤさんに顔を近づけて、そして唇を重ねた。