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昔話パロ その1

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そして、とうとう、ルートヴィッヒの家にも捜索の手が伸びてきました。
「とうとう見つけたぞ!!さあ、王がそなたをお召しだ!!
 一緒に城まで来てもらおう!!」
数人の兵を連れた役人は突然現れ、家へ上がり込むと、無理矢理リヒを連れて行こうとしました。
「止めろ!!リヒは俺の妻だ!!」
ルートヴィッヒは連れて行かれそうになったリヒを止めようと、激しく抵抗しました。
が、数人の兵士達に取り押さえられてしまいました。
「リヒ!リヒ~~!!」
「ルートヴィッヒさん!ルートさ~~~ん!!」
こうして、リヒは泣く泣く、お城へと連れて行かれました。

それからというもの、ルートヴィッヒはリヒを連れて行かれたショックから、家に引きこもってしまいました。
それから数日、ルートヴィッヒの元に菊が訪ねてきました。
「リヒさんからあなたに伝言とある物を預かっています。
 今日はそれを渡しに来ました」
菊は小さな包みをルートヴィッヒに差し出しました。
それはルートヴィッヒの手の平にちょこんと乗るほどの大きさでした。
「これは?」
「これはアプリコットの種だそうです。
 リヒさんが馬車に乗せられた時に、私はリヒさんから貴方に伝言を頼まれて、これを渡されました」
「それで、リヒからの伝言は?」
ルートヴィッヒの目に生気が戻り始めていました。
「『3年経ったら、このアプリコットの身をお城へ売りに来てください。必ず来てください。私は待っています』とリヒさんはそう言っていました。
では、私は失礼しますね」
菊はルートヴィッヒにリヒからの伝言を伝え終わると、早々に家を後にしました。

翌日、ルートヴィッヒは自分の畑の隅にリヒから貰ったアプリコットの種を植えました。
それから、ルートヴィッヒは前にも増して、一生懸命働きました。
リヒがいなくなった寂しさを紛らわすために。

植えられたアプリコットの種は、芽が出て、どんどん大きくなりました。

作品名:昔話パロ その1 作家名:桜飴♪