Let Love and Friendship Reign
「…と言う事だ」
イギリスはクラダーリングの着ける場所の意味以外をスイスに説明した。
「このアイルランドとは貴様の兄か?」
スイスはひとまず、疑問に思っていた事を口に出した。
「あー、まあ、一応…。つっても、アイルランドは北アイルランドの双子だ、一応…」
イギリスはとても複雑な表情をした。
「……相変わらず、貴様の兄らは複雑であるな…」
スイスはイギリスの家庭内事情を察して、ため息をついた。
「…一応、察してくれて助かる…。で、リヒテンはどんな風にリングを付けていたんだ?」
イギリスは気を取り直して、スイスに尋ねた。
「たしか、左手薬指で、王冠が……、指先の方へ向いていたのである」
スイスは記憶を辿り、それをイギリスに伝えた。
―流石、軍人…。
イギリスはスイスの抜群の記憶力に内心感心していた。
「えーっと…、あった。これだ!意味は…………」
イギリスはサイトの文章を目で追い、リングの着ける指と向きが表す意味が書かれている文章を読んで、言葉を失った。
「一体、何と書いてあるのである!さっさと言うのである!!」
スイスは痺れを切らして、銃口をイギリスの後頭部に押し当てて、イギリスを脅した。
「こ、『恋人がいる』、または『既婚者』って言う意味だよ!!」
イギリスは冷や汗を大量に流しながら、大声で言った。
「!!!」
スイスはショックを受け、言葉を失った。
スイスの背景にはまたしても、稲妻が走っていた。
「スイス?おい、スイス?」
イギリスは恐る恐るスイスに話しかけた。
「……………センを探すのである。あ奴を消すのである!リヒテンを穢した罪は重いのである!!」
スイスの心中はプロイセンへの殺意がまた膨れ上がっていた。
―頼むから、オレを含めて、周りを巻き込まないでくれよ…。
イギリスはただ、切実にその事だけを祈っていた。
作品名:Let Love and Friendship Reign 作家名:桜飴♪