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5.鳴き声＝泣き声

それは、自分が無力だったから招いた残酷な結果だったと思う。

学校の帰りに静雄さんに会った。
取立ての途中だと笑うその人に、大きな手で柔らかく頭を撫でられくすぐったさに笑うと、静雄さんも静雄さんの上司のトムさんも笑っていた。
この人たちはよくご飯を奢ってくれるし、不器用だけど優しくて、身近で頼れる大人として好きだ。
何だか照れくさいような気持ちでしばらく一緒に話した後、２人と別れる。

乱れた髪を整えながら、今夜の夕食のことを考えて歩いていたときだった。

「オイ、あんた、りゅーがみね、みかど？」
「はい？」

名前を呼ばれて振り返れば、後悔したくなる光景。
明らかに知り合いではない、チンピラめいた男たちが何人も並んでいた。

「ビンゴ。こいつだぜこいつ」
「お1人様、ご案内～」

ふざけた調子で言われ、しかしその直後に鳩尾に飛んできたパンチは明らかにふざけた調子ではなかった。
激しい吐き気と胃が痙攣する感覚を覚えながら、意識が遠のいていく。
自分の弱さへの情けなさと、相手がどの関係で自分を襲ったのかを考えながら。