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バールのようなもの
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novelistID. 4983
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とがしくんと10人のノス

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3人は、ぐんぐん山を登っていきました。とちゅうから道路はアスファルトがなくなり、けもの道にかわりました。
「立ち入りきんし クマに注意」と書かれた立て札が立っています。

「クマが出るのすか?」
「ただのおどしだよ。」

とがしくんがそう言ったとたん、しげみからガサガサと音がしました。
「マジかよ…」
とがしくんはきんちょうした顔であとずさりをしました。
「いや、ちがうのす。」
「のす。」
でも、後ろにいるノスたちはのんびりしています。

しげみから飛び出してきたのは、ノスと同じ顔のロボットでした。
やぶの中を歩き回っていたのか、服がやぶけてボロボロです。

「やっぱり兄弟がいたのす!」
ボロボロのノスはうれしそうに言いました。
「どうして分かったんだ?」
ふしぎそうなとがしくんに、どろだらけのノスが答えました。
「おれたちは、電じ波でおたがいのことが分かるのす。」
とがしくんのノスが、ボロボロのノスにむかって聞きました。
「どうしてこんなところにいるのすか?」
ボロボロのノスは、なんでもないような顔で言いました。
「おれの持ち主に『もう帰ってくるな』って言われたのす。それで家から、ずっーとまっすぐ歩いてきたのす。」
どろだらけのノスは、目をまんまるにして聞きました。
「じゃあ、行くところがないのすか?」
「そうのす。」
3人のノスは、じーっととがしくんの顔を見つめました。
「…わかったよ、おまえもいっしょに来るか?」

「のす!」

とがしくんと3人のノスは、山道を歩き始めました。