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つくりものの温度

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 カンナが、事故にあったのは、死んだのは、ぼくのせいだ。いっしょにする筈だった、自由研究をぼくがいい加減にしていたからだ。カンナは怒った。でも、ぼくだって、怒った。
(ぼくに頼らず、ひとりでやってみろよ)
 ぼくはいらいらとして、そう言い捨てた。ぼくはカンナの傷付いた顔を見たけれど、そのまま背を向けた。ぼくのことば通り、カンナはあの交差点でなにかを調べていた。イリーガルと、交差点の、ミチコさんの噂。
 そして、事故にあって、死んでしまった。
 ぼくは、それを聞いてその場にかけつけた。そこで、ぼくは、眩暈を感じて、倒れた。何がなんだかわからなかった。入院していた。カンナの葬儀にも行けなかった。ようやくカンナの家を訪ねた時には、カンナの笑顔の遺影と、白い箱があった。
 ぼくは何度も、あの交差点へ行った。カンナはいない。
 そして、あの青年がいた。
 猫目宗助、という男が。

作品名:つくりものの温度 作家名:松**