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恋した相手は、敵になりました

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神楽は重い扉を開け、中に入った。
広い部屋だ。
天井も高くて、見あげているうちに気が遠くなってしまいそうだ。
部屋の奥には椅子がある。
豪華な椅子だ。
その椅子に、立派な服を着た者が座っている。
玉座にいる王のような姿だ。
神聖真選組を帝国と言い、隊士から皇帝と呼ばれているのにふさわしい。
「……なんだ、おまえか」
その冷たい眼差しが向けられた。

豪華な椅子、立派な衣装。
でも、私が来るまでは、こんな広い部屋で、たったひとり。
ひとりぼっちの玉座。

それで、楽しいアルカ。

「おまえと一緒に何人か来ていたはずなのに、ここまで来られたのは、おまえだけか」
沖田がバカにするように言った。
「ここに来るまでにおまえの手下がいっぱいいたアル。だけど、ここまで来られたのはひとりもいないネ。あんなにいっぱいいたのに、情けないアル」
神楽は胸を張り、言い返した。
すると、沖田は眼を細めた。
口は閉ざしたままだ。
その身体が動く。
ゆっくりと椅子から立ちあがった。
端正な顔に冷たい表情を浮かべて、歩いてくる。
神楽は堂々と立ち、その姿を見すえる。
部屋の中の空気は張りつめている。
しばらくして。
沖田の足が止まった。
その手が腰のほうにやられる。
刀がある。
沖田は表情を一切変えずに、刀を抜いた。
戦うつもりだ。
斬る、つもりだ。
本気で。
それを感じ取る。
だから、神楽も武器をかまえた。