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これもいわゆる運命の出会い?

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あれから、2週間経った日。
とある一室で、男は纏められた資料をソファの前にある机に伸ばした両足をどかりと乗せたまま読んでいた。
そこへ扉を叩く音が聞こえ、男は資料に目を映したまま「入れ」と告げる。その言葉通り入室した青年は男の姿を見るなり「・・・行儀が悪い」と無表情に言った。
「俺じゃなったら怒られてるよ」
「お前って分かってたからいいんだよ。――で、何か用か、幽」
幽と呼ばれた青年は、持っていた封筒を男に渡した。男は資料を脇に置き、封筒を受け取る。読んでいく中で己の口端がつりあがっていくのを自覚する。現に、対面に座った幽が「悪い顔してるよ」と進言したぐらいだ。
「けど、珍しいね」
「あ?何がだ?」
「兄貴が士官学校生のリスト欲しがるなんてさ。そこって、いわゆるエリート組が通うところでしょ」
兄貴が欲しがる人材なんて居ないと思ってた。淡々とそう告げる幽に、男は「確かにな」と頷いてみせる。
しかし、『あの日』『あの時』歩いて帰れる距離でなおかつ十代半ばの子供が通うような場所がここしかなかった。そして男の勘は当たっていた。
資料と一緒にあった写真を手に取り、男はにやりと笑う。
「まあ、いつもなら見向きもしなかったが」
大きな蒼の眸が薄い紙の中でこちらを見据えている。―――漸く見つけた。
男は、弟に「来週辺り、ここに視察できるようスケジュール纏めといてくれ」と告げる。




「俺から逃げた罪は重いぜ。―――なあ?竜ヶ峰帝人」




金色の髪を掻きあげ、男は、―――平和島静雄は獰猛に笑った。