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二年後設定銀桂短編集

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「……バッカみてェ」
銀時はぶっきらぼうに言い、眼をそらした。
けれども、足は動かない。桂の近くから去ろうとはしない。
それに、胸が妙に温かい。
「銀時」
桂がまた話しかけてくる。
「たいした用がないのなら、家にもどらないか」
たいした用なんか、ない。
ただの散歩だ。
「家に帰ろう」
さらりと告げて、桂は手を近づけてきた。
その桂の手は銀時の手のひらをつかみ、軽く引っ張る。
だから、銀時は動いた。
家のあるほうへと、歩きだした。


その日の夕餉は、いつもよりも豪華だった。
そして、そのとき、松陽は言った。
銀時が生まれてきて、ここに来てくれて、良かった。
そう嬉しそうに言った。







作品名:二年後設定銀桂短編集 作家名:hujio