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二年後設定銀桂短編集

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万事屋の応接間兼居間にだれかがやってきた。
その姿を、銀時はソファに深々と座ったまま眺める。
「銀時、あいかわらず貴様はだらだらと怠けているようだな」
桂はとがめるように言った。
その声や表情は堅いが、顔には化粧をして、深いスリットの入ったチャイナドレスを着ているので、全身の雰囲気は艶めかしい。
「俺ァ、怠けるのが仕事なんだよ」
「おまえの仕事は万事屋だろうが」
桂が部屋の中を進む。
向かいのソファに座るだろうと銀時は予想したが、桂はそちらのほうに行かずに近づいてくる。
意外だ。
銀時はソファの端のほうに少し移動する。
それによって空いたところに、桂は腰をおろした。
桂は黙っている。
その端正な横顔を見つつ、銀時は言う。
「これから出勤じゃねーのか?」
今は夕刻だ。
かまっ娘倶楽部にこれから行くのだろうと思った。
「いや、今日は休みだ」
桂は否定した。
その眼が銀時のほうに向けられる。
「今日は大切な用があるからな」
「へえ」
「……他人事のような顔をしているな」
「え、俺、なんか関係あんのか?」
「大ありだ」
大切な用。
なんだろうか。
銀時は考える。
すると、桂はあきれたように眼を細めた。
「今日はおまえの誕生日だろう」
そう指摘されて、銀時は、あ、と口を開く。
「そーいや、そーだったな」
忘れていたというか、意識していなかった。
作品名:二年後設定銀桂短編集 作家名:hujio