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二年後設定銀桂短編集

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それはともかくとして。
「だから、オメーは仕事を休んで、ここに来たのか」
銀時はニヤと笑う。
こちらとしては、ついにやけてしまうような嬉しい話である。
桂は眼をそらした。
しかし。
「ああ、そうだ」
銀時を見ないままだが、認めた。
その顔のほうに、銀時は手をやる。
幼なじみの恋人の顔を、自分のほうに向かせる。
桂はあらがわなかった。
切れ長の涼しげな眼がこちらを見る。
その唇が開かれる。
「おまえが生まれてきたことを祝いに来た」
凜とした声が告げた。
銀時はその口をふさいだ。
くちづける。
しばらくして、お互いの唇が離れた。
けれども、すぐそばにいる。
至近距離から、銀時は桂の顔を見る。
桂も見ている。
「……ここんとこ、毎年祝ってもらってんな」
「そのくせ、おまえはいつも自分の誕生日を忘れている」
「来年も忘れてそーだ」
「まったく、おまえは」
「だから、また思い出させてくれ。来年も、再来年も、その先もずっと」
おまえが。
かすかな声でそう続けたあと、また、銀時は桂の口をふさいだ。


今の自分たちを見たら、松陽は驚くだろう。
拾って育てた子はかぶき町きっての猛将となり、塾生のひとりはかまっ娘倶楽部のエースとなっている。
そんなふうだが、自分は今、幸せに暮らしている。
だから、大丈夫だ。
そう伝えたい。








作品名:二年後設定銀桂短編集 作家名:hujio