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二年後設定銀桂短編集

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数分後。
銀時は桂の横に座っていた。
まわりに客はいない。
さっきまでいた客たちは逃げるように去っていったのだった。
「……なんの用だ」
桂は堅い声で聞く。
「あんなヤツに、脚、さわらせてんじゃねェ」
銀時はぶっきらぼうに言った。
「あれは客だ」
「客でもダメだ」
桂は考えているような表情になる。
少しして。
「おまえは客ですらないだろう。帰れ」
「俺ァ、オメーに指名入れたって、さっき言っただろ」
「指名を入れられた覚えはない」
「そんなはずはねェ」
銀時が身を乗りだしてきた。
顔が近づく。
至近距離から、その眼が桂を真っ直ぐに見ている。
「あんなヤツより、ずっとずっとまえに、俺ァ、オメーに指名入れただろーがよ」
桂は少し眼を見張った。
言われたことの意味がわかったらしい。
次の瞬間、ふっと表情がゆるんだ。
切れ長の眼が細められる。
その顔を見たまま、銀時は手を桂の脚のほうにやった。
脚をなでる。
桂はもちろんそれに気づいているだろうが、なにも言わずに、されるがままでいる。
さらに、銀時は身体を近づけた。

そのとき。

背後からボキボキッという音がした。
指を鳴らす音だ。

「うちの娘におさわり禁止って知ってたはずよね〜、パー子」
野太い声が聞こえてきた。

銀時はおそるおそる振り返る。

そこには、鬼神・マドマーゼル西郷が立っていた。
仁王立ちである。

作品名:二年後設定銀桂短編集 作家名:hujio