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今日も今日とて池袋は平和です

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友人から光源氏と言われてもかまわない、とこのとき思った。良いではないか面食いなのだ。
それに悲しいかな己の顔も童顔なので、別にこの少女達と町中を歩いていても問題ないだろうというおかしな考えまで頭をよぎる。

「・・・分かったから二人とも僕の腕を放しなさい。ほら、手なら繋いであげます」

太郎はしょうがないとでも言うように、二人の腕から己の腕を引っこ抜くとほら、と手を差し出した。
甘楽と静香はその手を見て一瞬きょとんとした顔をしたがすぐに二人とも満面の笑みを浮かべて、差し出された手を取る。
そして甘楽と静香は帝の手を引きながら、池袋の街を歩き出した。

「やった!ねぇねぇ太郎さん!あそこ行きましょう!臨にぃがこの前連れて行ってくれたのよ!」

甘楽が指を指した高級料亭に帝人は乾いた笑みをこぼした。

「きみの兄と僕の懐事情を一緒にしないで下さいね甘楽さん。もうちょっとランク下げて」

「あ、あの!この前とむさん達と一緒に行ったお店・・・・!あそこへ行きたいです!」

静香がふわっと笑いながら、行きたいお店のリクエストをした。少しこれは珍しい。本当においしかったのだな、と思う。

「それってもしかしてあの寿司屋?ロシア人がいる?」

さすがは甘楽。静香は店の特徴を一つも上げていないのにすぐに彼女が言った店を言い当てた。
そして甘楽が言った店に太郎も心当たりがある。ロシア人がいる池袋の寿司屋でそこそこ旨い店などそうはないだろう。
たぶん、己が思っている店でよいはずだ。そしてあの店の品書きを思い出しながら、それなら今の懐でも十分だと算段づけた。

「あぁ、それなら良いですよ。そこの寿司屋へ行きましょう」

「っ・・・はい!」

「はーい!今度は私がおごってあげるね太郎さん!」

「・・・それなら私もおごります」

「年下の子供におごってもらうほど僕は落ちぶれても、お金に困ってもいないので」

そうして三人は仲良く手を繋ぎながら、池袋の雑踏へと消えていった。