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"忘却は罪"と忘れること勿れ

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「…まったく、君達は無茶がお好きですねぇ」
「君に言われたくない」
まんまと逃げおおせた僕達は、とある飛行場へと車で向かっていた
「…本当によろしいので?」
「だから」
「僕が聞いてるのは君ではなく彼です」
そう言って六道骸はミラー越しに後部座席を覗いた
「…うん…これで、いいんです」
尋ねられた彼は窓の風景を見つめながら、他人事のように頷いた
「オレは雲雀さんといたいから」
「…僕は仲間外れ、ですか」
はぁ、と大袈裟に溜め息を吐く六道
彼はそんな六道に苦笑いを零した
「そんなんじゃないです…ただ、骸さんは忙しそうだしそれに」
オレよりもっと大切な方がいらっしゃるでしょう?
「確かに」
「はいはい、そうですか」
「あ、もしかして拗ねてます?」
「拗ねてませんよー」
「ちょっと、前見て運転…あぁ、見えてきたね」
ブロロロッ―
たわいのない話をしていた僕達の目の前に飛行場が広がる
そこで休むのは羽根を広げた鉄の鳥
「明日から僕達、お尋ね者ですね」
どうしましょうか、
と言う割に、六道は随分楽しそうだ
「僕の首には一体、いくら懸けられるんでしょう」
楽しみですねぇ
クフフ、奇妙な笑いを零しながら運転するこの男の思考回路は、永久に僕には理解できないし、するつもりもない
だから、
「別に、興味ないよ」
そう返してやれば「君は相変わらずつまらない男だ」と、溜め息付きで返された
…ほんと、失礼な奴

「雲雀さん」
六道との会話が一段落したとき、彼が僕を呼んだ
「何?」
「本当に、良いんですか?」
眉根をきゅ、と寄せる彼
嗚呼、そんな顔しないでよ
なんだか僕が悪いみたい
「今更君が聞く?」
どうせならもっと、違う言葉を聞きたい
大体、その台詞を言うのは僕だ
「ははっ…それもそうですね」
明るい笑い声が響く
彼はひとしきり笑うと、目尻に浮かんだ涙を袖で拭ってミラー越しに僕と目を合わせた
「じゃあ、」
―雲雀さんと生きたい、良いですか?
過去の記憶なんて、今のオレには必要ない
ただ、雲雀さんがいるだけでいいんです
こんなオレでも、良いですか?
そう尋ねながらにこにこと笑う彼
そんなこと、聞かなくたって分かってるだろうに…どうやら彼は、あくまで直接僕に言わせる気らしい
少し迷った挙げ句、結局は
――最期まで、一緒にいよう
彼の望むことを言ってやった
…ほら、六道が呆れたように笑ってる