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"忘却は罪"と忘れること勿れ

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「…何しにきたの」
苛立ちを隠さずに告げると、彼は「荒れてますね」といって肩をすくめた
「用がないなら」
「綱吉くんには全て話したんですか?」
あぁ、やっぱりそのことか
表情にも出てたのか、彼は苦笑を浮かべている
「その様子じゃ、まだ真実は告げてないようですね」
「…そうだよ」
答えながら、僕はやけくそにグラスに注いだ酒を煽った
「知らなくていい」
「…雲雀くん」
真実?そんなのを知る必要なんかない
今の彼は自分の境遇さえ酷く他人事に思っているというのに、そこへ追い討ちをかけるように真実を話す?
それこそ、正気の沙汰じゃない
ぐい、乱暴に口元を拭いもう一本、とボトルに伸ばした僕の掌を、彼は払った
「まったく…君がそんなんでどうするんですか」
呆れたような溜め息
酷く癪に触った
「君に…何が分かるの」
僕の問いに六道はふむ、と少し考え込む素振りを見せ口を開く
「何が分かる、ですか。そうですねぇ…例えば、」
綱吉くんの迷い、とかなら
…身体が硬直した
彼もそれに気を良くしたのか、続ける
「最近、昔の夢を見るそうですよ。そして、貴方の夢」
「僕の…夢?」
僕の反応に彼は口元を緩ませた
「綱吉くんに手を差し伸べる、貴方の夢」
「っ」
(それは、まるで…)
「まるで、」
半年前のあの時みたいですね
僕の心の呟きを引き継いで彼が言った何気ない言葉
その言葉を聞いた瞬間、胸を切り開かれるような痛みが僕に襲いかかる
「まさか…」
「雲雀くん…そろそろ本当の話をしても、良いんじゃないんですか?」
「君には、関係ないっ…」
僕の吐いた言葉に六道の表情が変わった
「確かに僕は関係ない。だが、片棒を担いだ以上、最後まで見届ける義務が僕にはある」
…"彼"だって、きっとそれを望むはずだ
そう一言告げて、六道は霧のように姿を消した