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【コナン*パラレル】 夏の暑さは、 【快新】

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中学に上がった当初はわからなかった。
新一に対する自分の感情が恋愛感情だと知ったのは十四歳の夏、
クーラーの聞いた室内で課題を消化していたときだ。


新一がさくさくと数学を説いている最中、快斗はぱらぱらとトランプを弄っていた。
全く手元を見ないで流れるように、無機物のはずのトランプが意思を持つように動き、
消え、現れるそれは学生の技術をとうに凌駕していた。

「新一~」
「うるせぇ黙ってろ」
「部活ばっかやってっからだろ~」

声をかければそっけない一言で切られる。
それに寂しいと思いながらトランプを消し、ごろんと横になった。
そして見るともなしに彼の横顔を眺めていた。

(あー…首、細い。睫長い…あ、舌、あかい…)

「快斗?」
「…しんい、ち? ……っうわぁああっ?!」
「え? ちょ、快斗?」
「ご、ごめん! ちょっと用事思いついた!!」
「思いついたって…おい」
「ごめんねまたねさよならおやすみ!!!」

訝しむ彼の視線も声も無視して、どたばたと階段を駆け下りて家へと逃げ帰った。
乱れる呼吸も、熱くなる顔も、身体も、走ったからだと思いたい。

「あら、快斗…どうしたの?」

玄関を開けると同時にただいまと叫び、母親の問いかけにも聞こえなかったふりをした。
そのまま部屋へと逃げ込んで、鍵をかけてようやく落ち着く。
そして、認めたくなかった現実を思い知った。

(嘘だろ…勃ってる……)

まさか、まさかと思っていたのだが。

シャープペンを齧る姿に、欲情した。


薄い小さな唇の間からのぞく白い歯と、赤い舌のコントラストが妙に艶かしくて、
話しかけられても唇しか目に入らなかった。

「くそっ…」

忘れようと、頭から消そうと、意識を集中させる。
けれどそれがより一層、記憶を脳に焼き付けた。
僅かな芯を持ちはじめたそれに吐き気を覚えながら、そろそろと半端に熱を持った
己の下肢に手を伸ばし、無造作に握った。
その瞬間全身に駆け巡った愉悦に、既に引き返せないと知る。

「は…っ」

熱がいとも簡単に手の中に集中していく。
上下に乱暴に動かせばさらに質量を増す。
その瞬間脳裏に浮んだのは幾度も見た彼の健康的な薄い身体。
今まで抱いた何人かの柔らかな胸や、高い嬌声ではなく、色気も何も無いただ
うつくしい人の姿。

(ごめん…ごめんね、新一)

けれど一度明確に思い描いてしまえば身体は正直なもので明らかに昂っている。
くちくちと先走りが音をたてる、それさえもまるで責められているようで涙が溢れた。

「……しん、いちっ」

下半身からせり上がる射精感に息を詰め、快斗は自身の熱を解放した。
今まで感じたことの無いような強い快楽は、後悔と罪悪感と共にあった。
吐精したあとはただ苦い後味だけが残り、汚れた手を拭う時にじわりと涙が滲んだ。
けれど零れる事はなく、ぷるりと頭を振った。

(ごめんね、新一)

も、ほんと死にたい…。
ごそごそとベッドに潜り込み、全ての感覚を遮断する。
無理矢理落ちる眠りの中、そういえば一人で泣いた事など無いのだと思いだした。