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マルナ・シアス
マルナ・シアス
novelistID. 17019
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【東方】東方遊神記4

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二人がそんな話をしている間に、諏訪子は落ち着いた青蛙神とこれからのことについて話していた。
「ねぇ神奈子お父さん、一つ提案があります!」
「誰がお父さんだ!!」
「「お父さん・・・ぷっ」」さっきまで震えていた二人が、諏訪子と神奈子のやりとりに同時に吹き出した。やはり神奈子は守屋ファミリーでは父親の位置だと諏訪子も思っていたか。
「ふふふっ、お父さん、ぴったりです、神奈子様」
「まったくじゃ、そうなると、母親は早苗で、諏訪子殿が娘といったところか」
「えっ、私が神奈子様の妻で、諏訪子様のお母さん・・・」
「なるほど、そういうのも悪くないかもしれないね」
予想的中!何を言っているかわからなかったら、少し前を読み返せ!
「ぶぅ~どうせ僕は子供っぽいですよ~だ」
はなから自分の位置も理解していた諏訪子はプゥと頬を膨らませながら言った。
「・・・・・」
(自分で言っておいて何じゃが、ついさっきあんなものを見せられた後では、とても諏訪子殿のことを子供っぽいとは思えぬ・・・)
「はいはいもうわかったわよっ、あたしが父親でいいから。それで、提案ってなんだ?娘よ」
ノリの良い神様である。
「うん、青ちゃんの存在力のことなんだけど、手っ取り早く高めるには、幻想郷の有力者達に青ちゃんを紹介して回ればいいんじゃないかな。存在力って、より強い存在力を持った人に覚えてもらえば、それだけ高まるから」
だから、普通の人間一人に覚えられても(これがいわゆる信仰)、大した変化は見られない。なので、顕界で存在力を高めるためには沢山の信仰心が必要となるのである。
「それにさ、僕達ってこの前の八咫烏の一件でいろんな人達に迷惑かけちゃったじゃん?いい機会だし、謝罪も兼ねて、青ちゃんを『幻想郷有力者巡りツアー』にご招待っていうのはどうかな?」
 なるほど、それは一石二鳥のかなり良い案だ。幻想郷にはスキマ妖怪『八雲 紫』を筆頭に一癖も二癖もある強力な存在力保持者が沢山いる。その人たちに会っていけば、青蛙神の存在力もあっという間に高まっていくだろう。
「わぁっ、諏訪子様、天才です!!」
「でしょ?でしょ?」
早苗に褒められて諏訪子は上機嫌だ。しかし、こういう時にまったをかけるのが神奈子の役目でもある。
「確かにいい考えだけど、八咫烏の件に直接関係ない奴等のところはどうするんだい?たとえば冥界のお嬢さんとか、月の姫のところとか」
「なにっ!?この世界には月の姫がいるのかっ!?」
「えっ!?青、月の姫のことを知っているのかい?」
思わず反応してしまったので、青蛙神としては説明するしかないが、正直あまり話したくない部類の話だった。
「えっ、えぇ・・・昔月に住んでいた時期がありまして・・・そこで少し・・・」
「ふぅ~ん、まぁいいわ」
守屋ファミリーは皆空気が読めるので、青蛙神の様子を見て深く突っ込まなかった。
「そんなの、幻想郷の新しい仲間の紹介とか、今まであまり交流が無かったから、親睦を深めるためとか、理由なんかいくらでも作れるよ」
諏訪子はなんだそんなことといった感じに言い返す。幻想郷の有力者は基本的にお気楽な奴が多いので、敵愾心(てきがいしん)さえ持たなければ大抵のことは笑って許す余裕を持っている(一部例外はあるが)。だから、突然の訪問者が来ても、すぐに打ち解け、一緒に楽しもうとするのだ。幻想郷二年生の守屋ファミリーですら今回のような流れになっているのだから、幻想郷の醸し出す空気というものの凄さがわかるというものだ。
「それもそうだね。で、どうだい青。諏訪子が考えた案、採用でいいかい?」
もとより青蛙神に選択肢は無いに等しい。断るという選択肢はあるが、そんなことをしても何の意味もない。それに先ほどの諏訪子覚醒の件もあるし、早くミシャグジ帽子を諏訪子に返さないと大変なことになる。もうトラウマである。
「はいっ、よろしくお願いします」
しかし、青蛙神はなにも悲観的に考えているわけではない。むしろこれからどんな者たちに会えるのか、とても楽しみであった。
「よしっ、そうと決まったら早速準備だ。訪問するにしても前もって知らせる必要があるし、相手の都合もある。まぁ大体みんな暇してると思うけど。手土産も用意しなきゃいけない。とりあえず、御影のところに行って、狗賓衆(ぐひんしゅう)から何人か借りて使者になってもらおう」
「あっ、じゃあ私が行ってきますので、お伝えする内容をお願いします」
そう言って早苗は紙と書くもの持ってきた。
「いや、せっかくだし、皆で行こう。ちょうど青のことも紹介しておかなきゃいけないし、さっきのケロたんの暴走についても説明しなきゃいけないしね。今頃何があったって大騒ぎになっているだろうし」
軽口のように言っているが、あれは下手をすれば災害レベルの惨事になっていたであろうものだ。まぁ諏訪子に限って下手をするということは99.9999・・・・%ありえないが。
「ムゥ~、ごめんってばぁ~」
妖怪の山の頂点に君臨しているのは、神奈子と諏訪子の二人なのだが、実際に山を管理、支配しているのは天狗であり、その頭領が『天魔』と呼ばれる『相羽一族』である。といっても、元来かなり長命である天狗なので、今代の天魔である『相羽 御影(あいば みかげ)』でも、まだ二代目である。この御影に関しては後述する。御影は極親しい者以外の天狗からは天魔様と呼ばれている。