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いただきたい

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 訳が無い。
 訓練された3頭をけしかけ、懲らしめてやった。
 でも流石優しい俺様。
 丁寧にそのコソ泥を動物病院まで送り届けた。
 何でかって?そりゃ勿論ちょん切ってもらう為だ。
 可哀想なんて思うんじゃねぇぞ。
 確かに今は辛いと思うが、処置を施された犬は誰の家族になれるかもしれない。
 決して、俺の復讐のためなんかじゃねぇからな。


 こんな訳で結構時間がかかった上にすっかり昼飯を食いそびれてしまった。
 仕方なく買い直そうと病院の帰り公園へ寄ったが、既に露店の殆どが帰った後だった。
 いつもならもうちょい遅くまでやってんのに・・・。
 仕方がないのでどこかのカフェにでも入ろう。
 名残惜しそうに芝生に寝転ぶ愛犬たちを集めた時だった。
 ピッシャーンンン!!!!
 
 「へ?」

 雷?
 そう確認するや否や、大粒の雨が降ってきた。
 バケツをひっくり返したような、とはこの事を言うのだろう。

 「マジかよ・・・。」

 あっという間にびしょぬれになってしまった。
 そう言えば露店のオヤジも
 「もう直ぐ雨が降るみたいだから気をつけろ」
 みたいな事を言っていたような気がする。
 ため息をぐっと我慢してどうせ濡れてるのだからと急ぐ事を早々に諦めた。
 ・・・唐突にヴェストの電話を思い出した。いや、思い出してしまった。

 『それが今朝方洗濯物を干している時に急に上司に呼び出されて・・・』
 「やっべぇ!!」

 洗濯物が干しっぱなしだ!
 とりあえず早く取り込まなければヴェストに何を言われるか・・・。
 すっかり水を吸い込んで重くなったジャージをお情け程度に軽く絞ると
 リードをしっかり持ち直し、洗濯物が待つ我が家へと走り出した。



作品名:いただきたい 作家名:akira