ささめゆき
玄関の戸が開け閉めされる音がして、続いてバタバタと荒々しい足音が聞こえてきた。
銀時が帰ってきたのだろう。
あれから四日経った。
その間ずっと桂は家に帰らなかった。もちろん登城もしていない。それどころか、この松陽の家から一歩も出てなかった。
銀時が部屋に入ってくる。
「饅頭買ってきたから食おうぜ」
「おい、甘いものばっかり買ってくるのはよせと言っただろう」
部屋に入ってすぐは厳しい顔をしていたのが、桂の顔を見て、銀時は一瞬ほっとしたような表情を浮かべた。
けれども、それには気づかなかったことにして、桂は視線を銀時の顔から肩に転じる。
「……外は雪がひどいのか?」
銀時の身体には雪がいくつも付いていた。部屋の暖かさでかなり溶けてしまっているが。
「ああ、すげーぞ。メチャクチャ寒いし」
「へえ」