ささめゆき
他の男を見るのはいい、話すのはいい、なにかの拍子に身体が触れたりするのもいい。
けれど、他の者とは別格のような扱いを自分以外の男にするのは嫌だ。
苛々する。
その苛立ちを無理矢理押さえこんで、桂のほうに手を伸ばす。
顎をつかみ、唇に唇を押しつける。
「……酒くせー」
「あたりまえだろうが」
くちづけのあとに文句を言うと、桂はすかさず言い返してきた。
銀時は桂から眼を逸らし、自分の肩に手をやってボリボリとかく。
しばらくして。
「銀時」
桂が名を呼んだ。
「おまえ、なにか悩んでいるんじゃないのか?」
以前と似たようなことを聞く。
銀時はチラと桂を見る。
「いいや、悩みなんざまったくねーよ」
素っ気なく告げた。
本当に悩みなぞなかった。
あるのは、この胸のなかに渦巻いているのは、嫉妬と独占欲。
それにたった今、気づいた。