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後篇

忘れられない女がいる。


約束だけ残して、あっさりと消えた女。辛くて哀しくて、でもそれ以上に悔しくて、覚えていろよともう見えぬ背中に何度も投げかけた。そんな約束をして、後で悔やんでも知らねぇからなと残像の笑う顔に呟いた。その誓い通り、静雄は今も約束を忘れずにいる。彼女は今何処で何をしているのか。静雄に知る術はない。しかしもし見つけたら言ってやるといつも思っている。記憶にある細い腕を引っ掴んで、どうだ覚えてたぞと、今度こそ捕まえてやるのだ。