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いつまでも、君が怖い理由

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眼鏡をかけた獄寺くんが、すらすらと説明してくれるのを、俺はぼんやりと聞いていた。

(眼鏡…似合うな。声も、俺と違ってちゃんと低くて…)

上の空な様子が伝わったのだろう。
困ったように苦笑いされて、俺はようやく自分がどれだけ失礼な事をしていたのかに気が付いた。

「すいません。俺の説明、わかりにくいっすか?」

「ちっ、違うんだ…!!その、獄寺くんの説明が悪いとか全然ないよ!」

「そっすか?なら、良かった。それじゃあ十代目、問3からやってみてください」

「う、うん…」

暫くの間、シャープペンが数式を書く音と、時計の針の音だけが部屋を支配する。
しん、と静まり返った部屋。モノトーンがベースになっていて格好が良い。"いつでも遊びに来て良い"と獄寺くんは言ったけれど、もしかして一人暮らしなのだろうか。中学生でマフィアをやっているのもすごいけれど、どこか現実とは離れた事のように思う。それより、身近な友達が一人暮らしをしている事の方がずっと日常に近い驚きだ。正直言って、羨ましい。

「………いいなぁ、獄寺くん」

獄寺くんは、自分だけの場所があるんだ。
俺の部屋は、チビ達やリボーンの共有スペースになっているから、一人でゆっくりと過ごす時間は殆どない。その賑やかさも最近では決して嫌いではないのだけれど、たまには一人になりたい時だってやっぱりある。

「何がですか?」

「―――あ、俺…口に出してた?」

「はい」

くすり、と笑う獄寺くんは格好良くて"いいなぁ"とまた俺は同じ事を考える。
でも今度の"いいなぁ"は、羨ましいのではなく、ずっとこの距離でこの顔を見れたら…に続く"いいな"だ。

俺の隣で、獄寺くんが笑っていれば
それはすごく幸せな事だと思うんだ。

勿論、笑っていて欲しい人は沢山いる。でもその中に、獄寺くんが必ず居て欲しいって思うんだ。

「獄寺くんは、一人で暮らしてるの?」

「はい、そうですよ」

「その…寂しいとか、思う時はない?」

一人になりたいと思う気持ちはあるけれど。
普段はやかましいチビ達が、いざ来ない日が数日続くと気が抜けるし、眠る時には、リボーンの寝息がないと何だか物足りない。

この張り合いのなさが、きっと"寂しい"って事なんだと、俺は思う。

「寂しい…ですか?あんまり考えた事が無いですね。そんな事考えるなら、十代目の右腕に相応しくなるにはどうすればいいのか考えていた方が建設的っすから!」

「あはは…そっか。うん、なら いいんだ」

笑った俺に、獄寺くんは安心したように微笑んだ。
それから「でも、」と言葉を続ける。

「十代目は今、何してるんだろうなーとか考えてばっかいる日もあります」

「……それって…」

それが君なりの"寂しい"って事なんじゃないかと思うんだけど。

「そんな日は、十代目のお宅回りのパトロールとかして時間潰すんですけどね!」

「はぁ?!」

君には、寂しさを感じる暇もないみたいだ。

「なんか、虫の知らせじゃないかって思っちまうんですよね」

「獄寺くん…」

「はい?」

「もうさ、そういう日はパトロールとかいいから。直接俺の家に来たらいいよ。これから寒くなるし、風邪引いちゃうよ?」

真冬でも、白い息を吐きながらパトロールに励む獄寺くんが簡単に予想出来て、俺はそう提案したんだけれど。

「いえ、十代目にお気を遣わせるわけにはいきません…!」

変に律義な君は、そうやって断ってしまう。

作品名:いつまでも、君が怖い理由 作家名:サキ