いつまでも、君が怖い理由
黒幕達
「かぁー!これだけお膳立てしてやったのに、キス一つで終わりかよ!どこのお子様だアイツは!!」
「覗き見とは趣味が悪いな」
「…よぉ。遅かったな。もっと早く来ると思ってたぜ」
「あいにく俺は分かりきってる展開には興味ねーんだ」
「お、言うねぇ」
茶化すように返し、白衣を翻した保険医にリボーンはためらいもなく銃を向ける。
「仮にもボンゴレ十代目に病をかけたのは、獄寺の依頼か?」
「まさか。うじうじ悩んでるヘタレなガキを見ていられなくなっただけさ」
シャマルの手にある空のカプセル。
その中に入っていたウイルスは、彼がかかっている666種類の病気の内、最も罪がない症状を感染者にもたらすものだった。
「そうか、ならいい」
「ん?治療依頼じゃなかったのか?」
「ああ、面白そうだからな」
にんまりと笑う最年少の殺し屋に、シャマルは面白そうに口角を上げた。
「ハヤトにも、お前さんくらいの余裕があったらなぁ」
「つまんねーだろ、そんな獄寺。あいつらは、ああやってわたわたしてた方がいいんだぞ」
「まぁ、見てる分には飽きないけどな」
「だろ」
床に座り込みながら、たとだとしい"挨拶"を繰り返す当事者達より、よほど理解がある傍観者達だった。
わんこと!/end
next→さよなら、昨日
作品名:いつまでも、君が怖い理由 作家名:サキ