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【APH】いけないことをしませんか?

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「…試してみますか?」
目を細めた日本の腕がすっと伸び、プロイセンの肩をとんと押した。
「え?……っのわ!?」
声を上げて、プロイセンは畳の上に転がる。慌てて、起き上がろうとするプロイセンに跨り、日本は曖昧な笑みを浮かべ、プロイセンを見下ろした。
「日本!!」
マウントポジションを取られ、焦る。起き上がろうとするがぴくりとも身体は動かない。唇を噛んで睨めば、日本は一層、深く笑みを深めた。
「別に今すぐに、師匠をどうこうしようなんて思ってませんよ。…ただ少し、触らせて下さい。今はそれ以上のことはしませんから」
「…それ以上って、何だ!!」
「それ以上はそれ以上ですよ。それを訊くのは野暮ってものです。…それとも、師匠、私に触られるのは嫌ですか?」
上目遣いに伺えば、プロイセンはううっと小さく唸る。…好きだから、付き合っているのだ。触るのも触られるのも好きだ。でもその先のこととなると女のように受け入れる部位などないし、痛いと訊くし、身体が嫌でも竦んでしまう。戦場で受ける傷の痛みは知っているから耐えられる。でも、そんな未知の痛みなど、進んで知りたくもない。…でも、日本が…。プロイセンはうーんと眉を寄せた。
「……変なことしたら張った押すからな!」
諦め、日本から視線を逸らすと、プロイセンは身体の力を抜いた。日本はくつりと笑うとプロイセンの頬を撫でる。

 穏やかに昔の話をしたり、喋らずとも傍にいるだけでも心地良かったのだが、傍に好きな人がいるのだから、触れたいと思うのはやはり本能だ。日本は白い指先をプロイセンの色の抜け落ちた短い髪に絡ませ、梳いた。

「師匠の肌は白磁のようですね」

頬の輪郭を撫で、滑り落ちていく指。撫でられるのは嫌いではない。撫でるのはもっと好きだ。プロイセンは視線を少しだけ上げ、日本を見やった。
「…お前も結構、つるつるしてるよな」
「爺ですので、結構、カサカサしてるんですよ。寒いこの時期はとくに」
「そうは見ぇねぇどなぁ」
指先でそろりと触れた頬は滑らかで、絹のようだと思う。東洋人の肌はバター色だと言うが日本の肌は白雪のようだ。そして、温かい。
「お、触り心地が俺好み」
するりと頬撫で、漆黒の髪を梳く。さらさらと指の間を流れる髪は指さわりが良く、それをプロイセンは飽きもせずに繰り返す。それに日本は小さく笑みを浮かべた。
「それは良かったです」