あい?まい?みー?MINE!!
「この先、次の教室には、既に生徒達を待機させています。竜ヶ峰君の他に、あと2人、いらして下さっており、彼等はもう教室に入ってくれています。」
先にある教室に1度目を向け、確認すると、再び帝人は教諭に視線を戻した。
「貴方達にお願いしているのは、受験を控えた3年生の補習なのですが、その生徒達の中で、1人、注意して貰いたい子が居るんです。」
後半に行くにつれて低く、慎重になっていく声音に、無意識の内に帝人に緊張が走った。
「貴方も池袋にお住まいであれば、1度は耳にした事があるかもしれませんが…平和島静雄、と言う生徒が、教室には居ます。」
その名を聞いた瞬間、帝人の目にはキラリと瞬く光が宿ったのだが、教諭はそれに気付かず、重苦しい溜息を吐き、止めていた足を動かし始めた。
「決して悪い子では無いのですが…扱いが難しい生徒ではあるので、刺激しないよう、重々御気を付け願いたく思います。」
そして、教諭は深呼吸をすると、意を決したように扉を開け放ち、帝人を伴って教室に入り込んで行った。
作品名:あい?まい?みー?MINE!! 作家名:Kake-rA