地に墜ちた神3
(あぁ、もうほんっとうにむかつくな・・・・!)
額から流れる血のせいで視界は悪いし、肩を痛めた所為で強度な結界をはることができない。
(これ・・・肩脱臼してるのかな)
脱臼ではなく、骨もろとも粉砕されているのだろうとおもう。まったくこれだから怪力莫迦は嫌いなんだ。
俺は舌打ちをして、傷だらけの化け物を睨み付ける。
「てめぇはこれでしまいだ臨也!」
「何減らず口いってんだか!死ぬのはシズちゃんの方だよ!」
お互いがずたぼろになりながら、それでも一歩も引かない。守りたいから。奪われたくないから。
本当に、反吐が出る。こうも同じ考えだなんて。俺はまだ動くほうの腕を掲げて気を張り詰めた。
シズちゃんも拳に気を張り詰めて、俺を睨み付けてくる。
お互い、これで決着をつけるつもりなのだ。俺は口角をあげてほほえんだ。
(負けるわけにはいかないんだよ・・・・!)