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angel lamp1

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『新しいマスター』

その言葉が意味することに気づいて、僕は、思わず後ずさりした。


嫌だ。

僕のマスターは、一人だけ。

僕を手放さないで。傍に居させて。

姿が見えなくても。声が聞こえなくても。

僕のマスターで、あり続けて欲しい。



「早く来なさい」

苛立ったマスターの声に、思わず身を竦める。

マスターの指示は絶対。

強張った体を、そろそろと伸ばして、ゆっくりと立ち上がった。
のろのろとマスターに近づくと、外の光が目に刺さる。
眩しさに目を細めていたら、マスターが、隣の影を手で示して、

「ほら、挨拶して。彼女が、あなたの新しいマスターになるの」

眩しさに目を瞬かせながら、僕は、そちらへと顔を向けた。

「っ!?」

思わず息を飲み、後ずさりする。
相手の異様な風貌が、ただただ恐ろしかった。

マスターの隣に立っていたのは、女性だった。
小柄で、華奢な女性。マスターのような華やかさはないけれど、整った顔立ちをしている。

けれど、彼女の右目は閉じられ、顔の右半分は、焼かれたように、皮膚が引き攣れていた。


まるで、童話に出てくる、悪い魔女のよう。


「彼女が、新しいマスターよ。これからは、彼女と暮らすの」

マスターは、当然のことのように言う。
僕は、恐ろしさの余り、気が遠くなりそうだった。


この人が、僕のマスター?
恐ろしい、悪い魔女のような人が?

マスターと離れて、こんな相手と暮らすなんて。
そんなの、耐えられない。

作品名:angel lamp1 作家名:シャオ