angel lamp1
「そんな風に見ないで。カイトに失礼でしょう?」
それは、マスターの隣にいる、彼女の言葉で。
僕は、自分で自分の顔が赤くなるのが分かった。
何を言ってるんだ。
僕は、マスターに作られた人形で、人間じゃない。
人形をいくら眺めまわそうが、失礼になる訳がない。
彼は、驚いたように彼女を見てから、
「ああ・・・そうだな。すまない」
ぼそぼそと言って、視線を逸らす。
「相変わらずね、あなたは」
マスターが、楽しそうに笑った。
「こんなに色の抜けた、古い人形がいたら、誰だって見るでしょう?一々失礼だとか、そんなこと考えないわ」
その言葉に、彼女は頬を染め、
「でも・・・気持ちのいいものではないわ」
「気にしすぎよ。そんなことでは、先が思いやられるわね」
マスターは、彼女の耳に唇を近付けると、
「いい?相手は人形なの。どんなに人に近い姿をしていても、ね。それを忘れないで」
作品名:angel lamp1 作家名:シャオ