angel lamp2
翌朝。
することもなく、ベッドに横たわっていると、部屋の外で、かすかな音が聞こえた。
引きずるような音に、彼女が起きたのだと、ぼんやり考える。
部屋の前で、音が途切れた。
すぐに、声がするだろうと思っていたけれど、一向にその気配はない。
一体、何をしているのだろう。
僕にやらせたいことがあるのなら、さっさと言えばいい。
僕は、彼女の世話をするように、マスターから言われている。
マスターの指示には従わなければならない。だから、僕はここにいる。
一向に出されない指示を、苛々しながら待っていると、こつこつとノックの音がした。
驚いて、思わず飛び起きる。
ノックをした?何故?
僕がこの部屋にいるのは、分かっているはずなのに。
彼女の、常軌を逸した行動に、薄気味悪さを感じていると、囁くような声が聞こえた。
「カイト、起きてる?」
・・・彼女は、何を言っているのだろう?
起きているに決まってる。
僕に睡眠が必要ないことくらい、分かっているはずなのに。
作品名:angel lamp2 作家名:シャオ