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angel lamp2

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僕がここにきてから、1週間が過ぎた。

食事の用意と、掃除と、庭の手入れが、僕の主な仕事。
洗濯は、彼女が自分ですると言い張るので、手を出さないことにした。

彼女は、一日の大半を書斎に籠っていて、あまり顔を合わせない。
マスターと同じ魔道士なので、何か研究を進めているのだろう。

そのほうがありがたい。彼女と話していると、苛々する。
僕がここにいるのは、マスターに命ぜられたからなのに。


何故、彼女は、僕を気遣うようなことを言うのだろう。




庭は、前の持ち主がよく手を入れていたらしく、きちんと整えられていた。
特にバラが好きだったのか、様々な種類のバラが植えられている。


赤いバラが、マスターは好きだった。


マスターのことを思い出すと、胸が苦しくなる。


会いたい。マスターに会いたい。


彼女に会いに来るのでも、構わない。
マスターの姿が見られるなら。


バラの手入れをしていたら、生垣の向こうから、子供の声が聞こえた。
声がする方を窺うと、数人の子供の頭が見えた。
ぴったりと寄り添い、館に視線を向けている。

「何をしているんだい?」

声を掛けると、子供達は飛び上がり、叫び声をあげて、一斉に駆け出して行った。

「魔女の手先だーーーーー!!!」
「逃げろーーーーーーーー!!!」


一目散に逃げて行く子供達の後姿を、複雑な思いで見送る。


・・・魔女、か。


確かに、こんな田舎では、魔道士に対する偏見も根強い。
まして、彼女の風貌を考えれば、子供達が「恐ろしい魔女」を想像しても、おかしくない。


僕も、彼女の仲間だと、思われてるんだ・・・。


考えてみれば当然の事だけれど、それが悲しかった。


彼女は、僕のマスターではないのに。
僕は、マスターのものなのに。

作品名:angel lamp2 作家名:シャオ