angel lamp3
紅茶を淹れようとして、ふと手が止まった。
マスターは、赤が好き。
彼女は、青が好き。
僕の髪と目を青にしたのは、マスターが、青が好きだから・・・
「そうだ。君にプレゼントを持ってきたんだ。受け取ってくれるかい?」
そう言って、彼がビロードの箱を取り出す。
中に入っていたのは、青い石をはめ込んだペンダント。
箱から取り出し、彼女に差し出した。
彼女は、そっと手を出すと、手の平に銀の鎖を受け止め、
「綺麗ね・・・でも、こんな、高価なものを頂いてしまっては・・・」
「そう言うと思った。実は、彼女に渡そうと思ったんだけど、店が、取り寄せる色を間違えてね・・・。折角だから、お二人に、揃いで持っててもらおうと思って」
「まあ、彼女も同じものを?」
嬉しそうに笑う彼女に、彼が、「つけてあげよう」と言って、立ち上がる。
後ろに回り、彼の指が、彼女の髪に触れ・・・
「すみません。砂糖壺を忘れました。すぐに持ってきます」
そう告げて、僕は居間を出た。
作品名:angel lamp3 作家名:シャオ