angel lamp3
足元から、世界が崩れていくような気がした。
僕を設計したのが、彼女?
では、僕を作ってくれたのは、マスターではない?
彼女は、視線を逸らしたまま、ぽつりぽつりと話す。
「・・・元々、人形作りは、私の研究だったの。設計図も出来ていたのだけれど、どうしても、資金が足りなくなって・・・」
魔道の研究には、多額の研究資金がかかる。
だから、魔道士には、大抵パトロンが付いていて、費用を出してもらう代わりに、研究成果を渡したりするのが普通なのだと、彼女は言った。
「私は、社交界には疎いから・・・彼女と共同研究という形にして、援助してくれる人を探そうという話になって。無事に見つかったんだけど、その人が、マスターは私ではなく、彼女のほうがいいと」
その理由は、聞かなくても察しがつく。
華やかで社交的なマスターと、顔立ちは整っているけれど、お世辞にも目立つとは言えない彼女。
新しい研究成果を披露するのに、隣に立っている魔道士は、人目を引くほうがいい。
「だから、彼女に設計図を渡したの。あなたを作ったのは、彼女よ」
作品名:angel lamp3 作家名:シャオ