angel lamp4
階段を降りると、彼女は微笑んで、
「ありがとう、カイト」
そっと手を離され、急に心許なくなる。
白い手袋がはめられた右手を取り、
「ごめんなさい」
そう言って、手袋を外した。
「カイト?」
「あなたを、傷つけるつもりはなかったんです・・・本当に、ごめんなさい・・・」
彼女は、首を振ると、
「いいの。それが、普通の反応だから。かえって、あなたに気を使わせてしまったのね・・・。ごめんなさい」
思わず、言葉に詰まる。
謝らないで欲しいと言いたかったのに、言葉が出てこなかった。
「食事・・・すぐ、用意しますから」
「ええ。ありがとう、カイト」
彼女の声を背に、僕は台所へ向かった。
作品名:angel lamp4 作家名:シャオ