angel lamp5
外に出て、少年を手招きした。
「君に聞きたいことがあるそうだから、中に入ってもらえる?」
「えっ」
少年は、一瞬、恐ろしそうな顔をしたが、覚悟を決めたのか、
「はい。僕に分かることなら、何でも答えます」
「そう。なら、おいで。お茶を入れるから」
そう声を掛けて、返事を待たずに、家の中に戻る。
台所で、お茶とケーキを出して、少年に勧めた。
「あ、ありがとうございます」
そう言ったものの、手を出さずにもじもじしている様子に、思わず笑って、
「毒は入ってないよ。僕は食べられないから、証明は出来ないけど」
「えっ?あ、そ、そんなつもりじゃ・・・」
少年は、真っ赤になってうつむいた後、恐る恐る、
「あの・・・食べられないって、どうして・・・」
「ああ。僕は人形だからね。食べたり飲んだりは、出来ないんだ。人形を見るのは、初めて?」
僕の言葉に、少年は心底驚いたようで、思い切り目を見開く。
「えっ!?・・・に、人形って・・・え?」
「遅くなって、ごめんなさい」
そう言って、彼女が入ってきた。
作品名:angel lamp5 作家名:シャオ