angel lamp5
彼女は、黒いベールを被り、右手に白い手袋をしていた。
その姿に、胸が苦しくなる。
少年は、慌てて立ち上がると、彼女に向かって頭を下げた。
「あ、あのっ!お邪魔してます!!」
「気にしないで。カイトから事情は聞いたけれど、あなたに、もう少し聞きたいことがあるの」
彼女の囁くような声に、少年は戸惑った様子で、
「あ、えと、あの、はい・・・」
「座って」
促されるままに、少年が椅子に座る。
「熱が高いそうね?食事は取れているの?」
「あんまり・・・気持ちが悪いって、言ってました」
「その子は、寒気がすると言っていた?それとも、体が火照る感じがする?」
「ええと・・・」
彼女の質問に、少年はしどろもどろになりながらも、何とか答えていた。
他にも、いくつか質問した後、彼女は、「待ってて」と言って、台所を出ていく。
少年が、不安げな顔で、僕を見あげた。
作品名:angel lamp5 作家名:シャオ