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Second Doll

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そして無事に一夜が明け、何事もなかった翌朝。
ゆさゆさと軽く胸元の辺りを叩かれ、微睡んでいた赤林は気怠げに瞼を動かした。いつも眠っているときよりもポカポカと気持ちよく、この柔らかいが弾力のある感触は何だろうと腕を彷徨わせた。
「あ、あのっ、起きて下さい!赤林さん・・・!!」
困惑したような響きを持つが、女性にしては低く、男性にしては柔らかい声に目を開いた。
温かい塊を抱き締めて眠っていた赤林は、困ったように見上げてくるミカドの声で目を覚ますことになる。
「もう、赤林さん、身体揺らそうにも全然動かないんですもん!」
若い頃は武闘派としてならした赤林は、年齢と共に落ち着きを備えるようになったが現在もそれは変わらない。修羅場を潜ってきただけあって身体の鍛え方も尋常ではない。体格的に劣るミカドが赤林を揺らすのには大変な労力がいったことだろう。
「あー、それはスマンかった」
「それはいいですから、あの、腕を解いてもらえますか?」
囲うようにしていた腕を赤林が外すと、ミカドはベッドを抜け出してウンッと伸びをした。
直後、明るい日差しの中で見る―いわゆる彼シャツ状態になっている姿の威力を赤林は知ることになる。部屋のカーテンを開けようとして動く裾だとか、大きすぎて開き過ぎている胸元だとか。
ベッドサイドに置いておいた煙草を手に取ると、誤魔化すように火を付け朝から一服する。
「あの、朝ご飯とかどうします?材料があったら僕つくりますけど・・・」
首を傾げて聞いてくるミカドを、ちょいちょいと赤林は手招きする。素直に寄ってくるミカドに内心苦笑いしながら、その細い腕を掴むと引き寄せた。
「わっ!」
バランスを崩して赤林の上に乗り上げるようにして座ったミカドに、灰皿に押し付けて煙草を消した赤林は、肌蹴たシャツの裾から手を突っ込む。
「えっ?!あの!こういうことはしないって・・・!?」
「気が変わった」
「はああああ?!ちょっ……ぁ、」
大きく開いている胸元から見える突起を摘むと途端にミカドの身体から力が抜けた。
「とりあえず、おいちゃんにミカドくん喰わしてくれるかい?」
「もう、どうにでもしてください…」
はからずもミカドに、四木に対してと同じ言葉を言わせてしまった赤林だった。



作品名:Second Doll 作家名:はつき