二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

angel lamp6

INDEX|2ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 

できるだけ時間をかけて、お茶の支度をする。


戻りたくない。
あの手紙を、見たくない。


お盆を持って、のろのろと書斎に戻った。
手紙を呼んでいた彼女が、顔を上げる。

「カイト、あなたのマスターが、今度遊びに来てくれるそうよ」

その言葉に、お盆を取り落としそうになった。

「そう・・・ですか」
「楽しみね」

微笑む彼女に、無理矢理笑顔を向ける。

「・・・はい」



片づけがあるからと、書斎を出た。
台所の椅子に座り、先ほどの手紙のことを考える。


マスターは、彼女に会いに来るだけ。
僕のことなど、思い出しもしなかっただろう。

それでも。

マスターに、もう一度会える。
マスターの顔、マスターの声、マスターの匂い。


苦しい。
胸が苦しくて、息ができない。


どうして、マスター変更が出来なくなるまで、僕を放っておいたのですか。
必要がないのなら、すぐに手放して欲しかった。

彼女が、僕のマスターだったら。


「マスター・・・」


会いたい。
マスターに会いたい。声が聞きたい。
僕のことを、見てくれなくてもいい。傍にいられるだけで。


喉の奥がひきつるような感覚を、必死に押さえていたら、勝手口にノックの音がした。

作品名:angel lamp6 作家名:シャオ