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angel lamp6

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声をかけてから、立ち上がって扉を開ける。
いつも食料品や雑貨を配達してくれる店主が、人のいい笑顔を浮かべて立っていた。

「こんにちは。ご注文の品をお届けに参りました」
「ああ、ご苦労様です」

馬車の荷台から、手際よく荷物を下ろすのを眺めていたら、

「そう言えばね、村で噂が立っていますよ」
「噂?」
「こちらのお嬢様が、子供達に悪い呪いをかけたと」
「・・・え?」

店主は、慌てて手を振って、

「いえいえ、それが誤解だってのは、分かってますがね。流感ですよ、ええ。ただね、ある子が、お嬢様から薬をもらったと、言ってまして」

帽子を手にした、少年の顔を思い出す。

「あの子が・・・」
「その薬を飲んだら、たちどころに熱が下がったと。それを見た一部の人間が、お嬢様が、呪いをかけた張本人だからだと言いだしまして。呪いってのは、かけた本人でないと解けないのだと。まあ、そんな噂が流れてますからね、ひょっとして、嫌な思いをされることが、あるかも知れません」

僕は、店主の顔を見つめて、

「・・・あなたも、そう思うのですか?」
「いえいえ。先ほども申し上げました通り、誤解だと分かってますよ。こう見えて、うちは都の方々からも、ご懇意にして頂いてます。「魔道士」がどういうものかは、分かっておりますです。はい」
「では、何故?」

僕の言葉に、店主はにっこり笑って、

「いえね、そんなにいいお薬があるなら、何かあった時に、お願いさせて頂けないかと思いまして。うちの女房が、どうにも体が弱くて」

その言葉に、思わず笑ってしまった。

「分かりました。彼女に話しておきます」
「お願いいたします」

作品名:angel lamp6 作家名:シャオ