angel lamp6
店主が帰った後、配達された荷物を整理する。
最後の一つを片づけたところで、彼女が入ってきた。
手に持っていたお盆の上には、ティーセットが乗っている。
「ごめんなさい。お茶のお代わりを貰えるかしら?」
「はい、すぐにお持ちします」
「ありがとう。書斎にいるわ」
彼女からお盆を受け取り、すぐに支度を始めた。
先ほどの話は、彼女の耳に入れておいたほうが、いいのだろうか。
店主のように、誤解だと分かっている人間の方が、少ないだろう。嫌がらせを受けたりすることが、あるかも知れない。
本当は、こんなことを、彼女に聞かせたくない。
けれど、黙っている訳にもいかない。
何故、放っておいてくれないのだろう。
彼女と二人、ただ静かに暮らしていたいだけなのに。
ため息をついてから、お盆を持って、台所を出る。
作品名:angel lamp6 作家名:シャオ